ヒヴァでついに力尽きる
ガタンゴトンと揺れる鉄道の中で目を覚まして外を見たらこんな感じ。
砂漠だー!
というわけでウルゲンチ駅に到着しました。ここから目的地のヒヴァまではトロリーバスを利用します。なんかこのトロリーは世界で二番目に走行距離が長い路線だそうです。
が、駅前…恐ろしいほどのタクシー運転手で溢れかえってました。
まるで砂鉄のように群がってくるタクシー運転手をすべて無視して市バスにのってまずはバザールまで。ウルゲンチのナンは今までのナンと形が違いますね。平べったくなった。
私はフルーツを、坊主はお惣菜をお買い上げしてトロリーバス乗り場へ。肝心のバスの写真は撮り忘れましたが結構新しい車体で目新しいことは特になし。椅子に座って発車待ちをしていると外の子供が暇つぶしに付き合ってくれました。恥ずかしいみたい。最後には傘で顔を隠しながら何度も覗きに来ました。
確かに発車してみると、こんな田舎道をトロリーバスが走るなんて変なの~というような場所を走っておりました。ずいぶんと牧歌的というか…。風景写真はありません、なぜならウズベキスタン人の女の子が我々に興味を持ってくれたようでずっとお喋りしてたからです。
そんなこんなでヒヴァ到着。めちゃくちゃ暑かったのでアイスを購入。
トロリーバスを降りた場所から宿までの間にあったバザールでメロンを購入しました。2kgで50円くらいだったかな…激安です。坊主が自分の頭くらいの丸い塊をもって宿へ。不思議な光景でした。
お昼休憩。私はお腹の調子がよくないのでフルーツだけ。
というわけで今日はやることがありません。外は相も変わらず40℃を超え、そもそも観光地であるヒヴァの旧市街もかなり小さいみたいで数時間もあればすべて見てまわれるそうです。ここには2泊する予定だったので、観光は明日でいいかと今日はのんびりすることにしました。
ちょっとお昼寝して夜ご飯へ。
ケバブです。
食後のメロン。
1人半玉、かなり豪華です。チェックイン時にすぐ冷蔵庫に入れたのでキンキンに冷えてました。坊主と一緒に美味い美味い言いながら食べてたのですが
坊「明日は3玉食べません?」
私「は?」
と、この人たまに真顔で突拍子もないこと言うのです。私は半玉が限界だと思ったのでなんとか説得し、明日は観光の帰りに一人ひと玉メロンを買ってくること、と義務付けられました。
そして翌日。起きたらお腹が痛いのです。メロンのせいかと一瞬思いましたが、ネットで調べた感じあたるメロンは食べたらやっぱりすぐわかるとのことで、ケバブですかね。ここ数日の私はと言いますと、お腹が痛いのでフルーツしか食べない→翌日調子が良くなり普通の食事をとる→お腹が痛くなって…の繰り返しです。ので、たぶんケバブかな。生玉ねぎとか食べてますし。
そういうわけでいつものごとく坊主には先に出てもらい、午前中は宿で一休みすることに。
休めど休めどお腹はよくならず、無理やり外に出ることにしました。宿から旧市街まで約2㎞、坂道はないので30分くらいでしょうか。
というわけで旧市街まで30分までの道のりを1時間以上かけて歩きました。腹痛と暑さと、あとなんかめちゃくちゃ暑いのに乾燥していて全く汗をかかないのでなんか変な具合になり完全にノックアウトされてしまいました。何度も何度も座り込んではクエン酸のタブレットを舐めたりしましたが着くころには瀕死の状態です。
はい、それでこの門に着いたらおばちゃん2人が現れまして、何やらチケットを買えといってきます。チケットは確か3種類くらいあって、旧市街の全ての博物館に入れるものと、主要なものだけ入れるのと~、みたいな感じです。なんかもう意識朦朧としてたのでもう私はどこにも行けんから、とりあえず一番安いのを買わせなさいそして通しなさいと金を出すと、「一番安いチケットはノーグッドよ!」と、おばちゃんAが仰るのですね。おばちゃんBもそうだそうだと。でもこっちは具合が悪いんじゃたいして行けないからとりあえず安いのをよこしなさいと言うと、おばちゃんBは引き下がりましたが、「ノーグッド!ノーグッド!」とAがあまりにも繰り返すもんですから、こっちもイライラして「じゃあお前はなんでノーグッドのチケットを作って売ってるんだ??」と血の気の引いた顔で聞いてやると黙り込んでノーグッドのチケット売ってくれました。よろしい。無駄に体力を使わせるな…。
というわけでなんかもうよくわからないけど中に入ったらお土産物やさんがずらりと並び、具合が悪いので木陰に座り込み1時間近く動けなくなりました。こんなとこ。
やっと落ち着いて歩きだす。
も、これが限界。メインストリートを歩いただけでどこにも入らず、登らず。
もうこれ以上歩いたら倒れる…帰りはタクシーに乗ろう…と思ってさっきのノーグッドばばの横を通り来た時にタクシー運転手が溜まっていた場所へへろへろになりながら向かうともうタクシー運転手は誰もいませんでした。なんなんですかあの人たち。
いらない時には砂鉄のようにどこまでも着いてきて、たまに乗りたいと思ったときには絶対捕まらないんですよこいつら。ほんと腹立つわ~。
タクシー運転手たちが溜まっていた場所で再び座り込み、なんか片足のないおっちゃんがどこからか来たので世間話をして、「ねえここにタクシーの運転手いないの?」って聞いてみたら「あ~この時間は昼寝してんじゃないかな」って。働け(°Д°)
また歩いて宿まで…帰宅…
移動式のパン焼き窯かと思ったらゴミしか入ってませんでした。
そして宿に帰って決意するのです。病院へ行こうと。これ以上悪化したら自分で何もできなくなるし坊主にも迷惑かけることになりそうだし、今が自分で冷静に判断できる最後の段階だと思いました。
ザックの奥底にある海外旅行保険の使い方みたいな紙をひっぱりだし、保険会社へ電話。宿のwifiが弱くて電話かけられなかったので、なんとか壁についてるwifiルーターに私が張り付くようにまた電話をかけて、「あ~ウズベキスタンに提携病院はありませんね~」と。まあ知ってました。
利用方法なんかを色々聞いて終わりました。で、なんか気になってたんですけど、私が電話してる間に坊主が私の前をうろうろしてるんですよね。私の知らない坊主が。
これは一体どういうことだ…と思っていると男部屋から私の知ってる坊主が出てきて、
坊「もしかして日本人がいるかもしれません。しかも髪型被ってます。」
私「なんとややこしいことに…」
だそうです。具合悪すぎてついに坊主が分裂する幻覚でも見たのかと思いました。
あとで挨拶してみると坊主2はやっぱり日本人で、同じ日に日本から二人の坊主が来るなんて宿の人は日本ってばどんな国なんだって思ってるだろうなあと心配になってしまいました。
坊主2はTさんと言って、司法試験を受けていま結果待ちの最中に旅行されてるそうです。たいそう立派な方でございました。話してるだけで、あ~この人すごい頭いいんだなっていうのが伝わってきます。当然なんですけど。夜に宿の共用部で3人で色々お喋りしてたのですが、私はやっぱり体調が悪いのでお先に失礼しました。あと坊主1と2がまじめな顔して法律のお話をしているのに頭の上をハエが歩いていて一人で笑いが堪えられなくなったというのもあります。私ってばほんと最低の人間です。
そんなわけでヒヴァでついに限界を迎え、病院へ行くことを決意しました。明日は大きな街へ移動するのでそこで病院に行きたいと思います。
ちなみに坊主は一人でメロンをひと玉食べて、「飽きた…」と呟いてました。だから言ったのに。