ヌクスへ楽に移動はできない
さて、前日ついに病院へ行くことを決意した私でございますが、今いるヒヴァはとっても小さな町。移動しようと考えていたヌクスがわりと大きな街っぽかったのでそっちで病院へ行くことにしました。
ヒヴァに来たときと同じようにトロリーバスでウルゲンチに行っても良かったのですが、あれは時間がかかるのと乗り場に行っても結構待ちそうだったので今度はマルシュに乗ってウルゲンチまで。ウルゲンチのバザールに到着し、そこからヌクス行のシェアタクシーが出ているという場所まで歩きました。
着きました。悪そうなタクシー運転手親父どもが溜まっております。
1人、俺の車に乗ってヌクスまで行くぞ!と声をかけてきたタクシー運転手親父1がいたのですが言い値があほみたいに高いんですよね。そんな値段じゃ乗らん!と返すと、親父2も親父3もそんなの安すぎるそれじゃヌクスには連れていけない!とワーワー騒ぎ始めます。なんか交渉してもネットでチェックしていた値段に全く下がらないので、シェアタクシー乗り場他にもあったよね、と坊主と話し合いそっちに移動することへ。
そうして二人で地面に置いたバックパックを担ぎ上げてバイバ~イと言うと、親父4が「お前らの言い値でいいから俺の車乗れ!」と言ってくれました。よろしい!
よろしくないのはその他親父1~8くらいで、なんでそんな値段で乗せるんだ!あいつら外国人だぞ!みたいなことを言い始めて喧嘩してました。みんないい歳なのに結構本気めの喧嘩です。
親父6あたりが、「俺の車にもう1人客がすでに乗ってるから俺の車に乗れ!お前らの言い値でいい!お前の運転手より早く出発するぞ!」と言ってきたので、じゃあ乗り換えるか~と親父4のタクシーのトランクを開けて荷物を出そうとすると…開かない。
親父4「だめだお前らは俺のタクシーに乗るんだ!」
親父6「俺のだ!」
親父2「親父6についてけ!」
親父5「親父6の車に乗れ!」
親父1「その値段じゃ安すぎる!」
親父8「よう坊主、ひまわりの種食うか?」
というわけで全然らちが明かないのでそこらへんで座り込んで喧嘩を眺めてました。坊主はひまわりの種を食べながら。
坊主と、こいつら本気で客を取り合うなんてまじで頭悪いんじゃないかなんて話をしていたら現地人と思われる20歳前後の女の子がふらりとやってきて親父6の車に乗り込みました。私たちもそっちの車に移動したいけど荷物が出せないし…と困っていたら親父たちが決着がついたのか、女の子2人が我々の荷物を積んでいた車に移動してきて、客が4人揃ってようやく出発できることになりました。わーい。
ところでこの現地人の女の子2人が結構なべっぴんさんでですね、
私「後部座席乗って女の子の隣座ったらどうですか~?笑」
坊「はい、そうします!」
冗談のつもりだったんですけどね、けしかけたらたやすく助手席をゲット出来ました。なんの疑いもなく私の目を見ることもなく後部座席に入っていく坊主。ばかだなあ。ありがとうございます。
というわけで出発です。砂漠です。
ひたすら砂漠の中を進んでいくのですが、タクシー運転手が運転席と助手席の窓を全開にして走るんですよ。そしたら今回の敵は砂埃じゃなくって、強風。もう風強すぎて息が全然できないのと髪の毛がほんとカツラでもないのに全部飛んでっちゃうんじゃないかなっていう…それで一人でおかしくなったですね、助手席も大変だよ~と後ろを振り返ると坊主と女の子2人は寝てました。こいつよく喋るくせに私が話したいときに限って寝てます。
強風地帯を抜け、なんか車が停まったので休憩かな~と思っていると
どうやらパンクしたみたいです。またか~。
で、女の子たちとちょこっと会話したりして時間を潰してたんですけどね、なんかタイヤ交換がやたら時間かかるな~と思って見てみたらですね、自転車のタイヤがパンクしたみたいな修理してんですよ。タイヤを水につけて穴空いてるとこ探して…。
いや~こいつタクシー運転手のくせにスペアタイヤ持ってなかったんですね。失格ですよ。あの親父たちのなかで一番外れを引いたかもしれません。
というわけで長いこと修理に時間かかって再出発。
も、10分後には今度すごい破裂音と共にパンク。
しかも何もないところです…。前も後ろもこんな感じ。
で、親父がどっかに電話をかけてるんですけど一向に助けがこないんですよ。そしたら車が通りかかるたびに両手の指を使って大きく〇を描くんですね。こいつ通りがかりの車にタイヤをねだってる…。
幸い親父と同じ車が結構走っていて、意外とみんな停まってくれるんですけどさすがに渡せるようなタイヤは持ってないのか頑張れ~みたいなことだけ言って去っていきます。
しばらくしたらやっと呼んだ車なのか、トラックが停車してタイヤを渡してくれました。我々はというと近くに線路が走っていたのでそれを見に行ったりして時間を潰してました。
そして気付かぬうちに我々の荷物は車の上へ…砂埃だらけ。
やーっとまともに車が走り出し、ヌクスに着いたのは夕方でした。
で、今日の本当の目的地はヌクスじゃなかったんです。ヌクスからさらに北にモイナクという街があってそこに行きたかったんですよ。でも私はモイナク行っても絶対観光出来ないと思ったので、私はヌクスで2泊するから坊主はモイナク行って翌日にヌクス戻ってきたらいいよと言ってたんですけど、なんか一人が心細かったのか私を気遣ってか坊主もヌクスに2泊することになったんですよね。まあヌクスに着いたのも結局夕方だったので今日中にモイナク行きたくても行けたかどうかわかりませんが…。私も今日中に病院に行こうと思ってましたがやめました。
というわけで目星をつけていた宿にチェックイン。宿の人がエアコン付きのツインルームを半額近くに値下げしてくれました。ありがたやありがたや。
宿の人がおすすめしてくれたレストランへ。
ナンと汁なしラグマンです。こんなの食べたらまたお腹壊すに決まってるじゃないですか。わかってるんですよ。
私「なんか食べたら絶対またお腹壊すんで、シャシリクだけ食べます!生玉ねぎも口つけません!」
坊「え~本当ですか?」
私「本気です」
坊「ラグマンありますよ、絶対美味いですよこれ」
私「いやだめですよ脂っこいのはお腹壊す」
坊「大丈夫ですって、明日病院行くんだし」
という会話が繰り広げられてこれです。いや結局折れた私が悪いんですけどね、やっぱ病人に勧めちゃだめだと思うんですよ。
食後
この油の残り方はミャンマーを思い出させますね。明日腹痛確定です。