灼熱のテュルキスタン
テュルキスタンの名は「トルキスタン(テュルクの地)の聖なる者」の意味で、高名なスーフィズムのシャイフであったホージャ・アフマド・ヤサヴィー(Khoja Akhmet Yassawi)が、1166年にこの地で没し葬られたのに因んでいる。彼によりこの地はカザフステップ地帯の学問の中心となった。1389年にティムールがヤサヴィーの壮麗なマザール(廟)を建立。中央アジア最大のドームで、ホージャ・アフマド・ヤサヴィー廟は2003年に世界遺産に登録された。彼の名もかつての市名ヤシに因んでいる。
中央アジアでは、三度のテュルキスタンへの巡礼は一度のメッカへのハッジに匹敵すると広く信じられており、今日でも毎年数万の巡礼者が訪れる。カザフスタンでは、「テュルキスタンは東の第二のメッカ」とされる所以である。
テュルキスタンは、常にペルシアやイスラム文化圏のマー・ワラー・アンナフルのオアシスと、テュルクやモンゴル文化圏のステップの遊牧民が、混ざり合う境界線であった。
1862年、ロシアはこの地をコーカンド・ハン国から奪うと、トルキスタン総督府のシルダリヤ州に編入、ロシア革命期にはトルキスタン自治ソビエト社会主義共和国の一部となるが、1924年にカザフ・ソビエト社会主義共和国の一部となった。
現在のテュルキスタンは人口の半数がウズベク人である。
だそうです。wikipediaより。
というわけで昨日は宿でごろごろしただけですので今日はしっかり観光したいと思います。
ここテュルキスタンにはカザフスタンにある5つの世界遺産のうちホージャ・アフマド・ヤサヴィー廟というのがありますのでそれを見に行きたいと思いますがその前に朝食です。
内容は昨日と一緒ですが、宿にいたフランス人女性お2人に誘っていただいてみんなでテラスで一緒に食べることに。女二人でカザフスタン旅行ってのもなかなかすごい場所を選択したなと思いますがとっても良い人たちでした。2人で話すときはもちろんフランス語で会話してたのですが、私が黙々とご飯を食べてるとせっかくなら全部英語で話すわ!とわざわざ言ってくれたのですがその後も2人の帰国のフライトのスケジュールの話を英語でしてたので、「そういうのはフランス語使っていいんだよ…」と言うと「それもそうよね」と笑ってました。
この二人は今日アルマトイの手前の街まで向かうようでバスターミナルに行くとのこと。私も観光の前にバスターミナルに寄って明日のウズベキスタン行のバスの時刻をチェックしたかったのでご一緒させてもらうことにしました。
ちなみに、朝起きてテラスから庭を見るとユルトは全く完成してませんでした。寝てよかった。
というわけでお2人のチェックアウトの準備を待ってタクシーでバスターミナルへ。500テンゲだったので200テンゲ渡すといらないよ~と私の分まで出していただけました。ありがとうございます。
2人の目的のバスはすぐに見つかり「ちょっとバスターミナルの涼しいカフェに入って待ってるから探しておいで」というので1人で聞き込みを開始し、明日の目的地であるウズベキスタンの首都タシケント行はこの場にはありませんでしたがそのへんにいたおっさん達のジェスチャーで毎朝7時に国際バスが出ているということがわかりました。料金は2000テンゲ。ただ、1人だけやかましいおっさんが居て今停まっているバスに乗らせて乗り継いでいかせようとする曲者がいました。
私「ノットトゥデイ!トゥモロー!」
おっさん「ノー!トゥデイ!」
私「ノー!トゥモロー!」
シムケントで乗り換えてタシケントに行けという言い分はわかりましたが手ぶらの私に今日向かえというのは強引すぎる。こんなやりとりを5回くらいしました。私も暇だったので付き合ってしまいました。
時間も料金もわかったので二人を探しに戻ってカフェで涼むか…と思ったらお二人は何故かカフェでもなければ涼しくもないバスターミナルのど真ん中に座らされてました。
このあとはまたみんなで周辺のATM探しに翻弄され、フランスで再会することを約束してお別れしました。そいうえば私あんまりブログに人の顔を載せるって今までしなかったんですけどね、なんかこの状況ちょっとおもしろかったので載せさせてもらいました。
というわけで、二人と別れる頃にはすっかり暑い時間帯。テュルキスタンは今まで訪れた中で一番暑い都市で40℃を超えるような場所でしたが昨日すっかり休んで今日もたくさん寝た私は暑さのわりには結構元気。バスターミナルからちょっと離れた観光地まで元気に歩いて向かいました。
というわけで例のヤサヴィー廟がある場所の入り口近くになんと、キョクボルの銅像が!
そういえばブログでは言及してなかったかもしれませんが、このあたり(主にキルギス?)ではキョクボルという遊牧民に伝わる伝統競技がありまして頭を切り落とした羊の胴体を馬に乗った人間たちが奪い合いゴールに投げ込むというスポーツがあります。これ文章で言ったらまったくどんな競技なのか伝わらないと思いますけど、私も最初それを南旅館のF氏から聞いたときはF氏の語り口調のせいもあってかなんだかコントみたいな変な伝統競技があるもんだなあと思ってはいたのですが、一度みんなでキョクボルを題材にした映画を見に行ったのです。そしたらもうその激しさと力強さに感動しちゃってですね。めちゃくちゃかっこよかったんですよ。みんなで大絶賛です。
まあ私がキョクボルをここでいかに褒めたたえようとこいつ何言ってんだろうという感想しかもたないと思うので、自分でググってみたりyoutubeで調べたりしてみてください。今でも実際に遊牧民オリンピックなどで行われてる競技みたいです。
遊牧民オリンピックって響きもなんだか笑えてきますけどね。いつか実際に見てみたいです。
はい、で、その銅像です。近づいてみたら実は奪い合う羊の部分が繋がっていなくて逆に芸が細かい!となりました。
いざ観光へ。
門をくぐるとたくさんの糞。うさぎにしては大きいし、馬にしては小さいしなんでしょう。ラクダの銅像も近くにあったけど、らくだの糞もこんなんなんでしょうか。
目的地はすぐそこ。
ひゅー!ついに歴史あるイスラム建築にたどり着きました。ヤサヴィー廟です。ちなみにこれは裏口のほう。私もしかしてまたいつも通り裏口から入っちゃいましたか。
ヌルスルタンで見たのもビシュケクで見たモスクも比較的新しいモスクだったので初めて本格的な(?)イスラム独特のこの細かい模様が見れて感激です。
正面
かなり大きいです。中央アジアに残ってる歴史的建造物でも最大級の大きさだそうです。あとこれから行くであろうウズベキスタンのサマルカンドもその建築物から「青の都」なんて呼ばれたりしてますがこの模様もそれを彷彿とさせます。
ちなみに途中で指導者が亡くなったためこれは未完だそうです。
入場料は500テンゲで、女性は髪を覆う必要があります。私は持ってきた手ぬぐいを巻きなんかラーメン屋みたいだなと思いつつまあショートヘアのおかげもあっていいだろと思って入場したら結構緩いのか女の人じゃんじゃん髪の毛出てますね。なんか形式上布でも被せておけばそれでいいみたいです。緩いなあ。
中には撮影禁止、壺だとか展示物が飾られていました。
その後は周辺散策。地下モスクだとか博物館がありました、が、相当暑すぎてぼーっとしていたのかあまり写真がありませんでした。撮影禁止だったのかしら?
思い出しました、このカラカラの大地で水が尽き死にそうになりながらさ迷っていたのです。一通り見学したので帰ります。
本当に首都以外金がかかってない国です。
宿に帰ると、宿の前に大量の山羊がいました。先ほどのキョクボルの銅像を見た影響でひっつかまえてぶん投げてやりたい衝動にかられましたがやめておきました。近くに飼い主のおじいさんがいたので。
帰ったら、ヨーロッパからここまでヒッチハイクで来ました!普段もテントで寝ます!宿と交通費に金を使ったことがありません!というフランス人とチェコ人のカップルにあいました。強すぎる。宿に金使ったことないってあんた今日どうするのよと思ったらそのままテラスで寝てました。まじか。
私もそんなに強い精神力が欲しかったと思うと同時に、いつまでも値切れなくて旅がまったく上手にならない自分も可愛げがあっていいじゃないかと思いながら寝ました。