さよなら中国…なかなか出させてくれないじゃん

※こちらの記事は正確にメモをとって書いたものではないので国境の情報は結構あやふやです。実際通過する人の参考にはならないと思います。雰囲気だけ感じ取ってください。

 

ついに1か月半いた中国を去る日がきました。

もうドキドキでございます。ウイグル自治区から入って空路で他の国に抜けていく人は多そうですが、やっぱりウイグル自治区から出る人はそう多くなさそうでセキュリティもきついだろうし前夜から緊張しておりました。

 

朝6時半、フランス人カップルと集合場所である旅行代理店前へ。というかチャーターしたバンがここに来るよう手配したみたいで5分前には我々全員集合していましたがバンが現れず。フランス人が旅行代理店の人に何度か電話してくれ結局バンが現れたのは7時過ぎでした。

この国境越えは時間との勝負でもあるのです。イミグレが3時間とか4時間とか忘れたけどなんかわけわからんくらい長時間のお昼休憩をとるのです。だからお昼休憩前に中国側イミグレに到着しなければ夕方近くまで待つことになるのでその日のうちにキルギスの街に着くのは難しくなります。

 

6人分のでかいバックパックをバンに詰め込み国境へ向かいます。2時間はかからなかったと思います。検問も少ない道を通ってくれるとのことでしたがカシュガルの街からしばらく走ってから第一の検問がありました。全員分のパスポートチェック、1人ずつレントゲン室のような箱の中に入り両手を上げ身体チェック、荷物と写真のチェックがありました。荷物はバックパックを開けられた人もいれば、私はカバーも外されることなく外側から手でガシガシ触られて終わりでした。Yちゃんは「パソコン持ってるか?」と聞かれ正直に答えていたので携帯はもちろんパソコンの中の写真まで見られていました。「これパソコン持ってるって自己申告したほうがいいかな?」と大学生くんに聞くと、「聞かれるまで自分は言わないっす」と言うので私もそうすることに。結局ほとんどのひとは携帯チェックだけで済み、パソコンまでは見られませんでした。

様子を見ていると現地人は荷物を運ぶようなトラック運ちゃんばっかりで、観光客はいなかったと思います。外国人は私たちグループの他に、欧米人のおじさん2人組がいたくらいです。たぶん彼らも車をチャーターしてるようでお金には余裕がありそうな人達でした。

 

荷物検査を終わってもパスポートのチェックにしばらく時間がかかり、かなり待たされました。その間にウイグル人公安に別の建物にあるトイレに連れて行ってもらいましたが結構フレンドリーな人でした。実際検査自体は厳しかったとは思うけどピリピリした空気はそこまでなかったように思います。

 

やーっとすべてが終わりまたバンに荷物を詰めなおし今度こそ国境まで。またしばらく車を走らせていると運転手が翻訳アプリで助手席に座っていたカナダ人に「キルギス国境まで行きたければ追加でお金を払え」と見せていました。

それを見たカナダ人はにんまりしながら無言でその携帯を後ろまで回してきて、一番後ろの席に座っていたフランス人カップルは「やっぱりはじまりましたか…」という顔をしながら旅行代理店に電話。元々の話では700元でキルギス国境まで、という話がついていたはずでしたが運転手がもっとよこせと言ってるわけですね。フランス人が旅行代理店に電話で文句を言い、電話が終わるとすぐ運転手に旅行代理店から着信があったようで何やら話しています。すごいなあ、バンの前と後ろで冷戦が起きてるよ。日本人はうまいこと蚊帳の外です。でもこの運転手、遅刻してくるしなんか金正恩みたいな髪型だし私は最初から好きじゃなかったんですよねえ。

結果、旅行代理店とフランス人・運転手は何往復かで電話をし、くだした決断はデポジットの200元だけ運転手に渡すが残金(500元)は払わず車を降りるということ。こればっかりは仕方ありません。もともとチャーターせずともタクシーで国境の町まで一人34元とかの金額がかかるとのことだったので、200元を6人で割ると損をしたことにはなりません。

イミグレの門の前で荷物を降ろし、運転手に別れをつげまた検問へ。小さな小屋にはいりパスポートを預け小屋の外でしばらく待ちます。そうすると門の前でたくさんの公安に取り囲まれ地面に押さえつけられている暴漢が一人…え、なにこの国境やばくないどうしたのとそわそわしているとただの訓練だったみたいです。みんなにこやか。本当にやばいところを通っちゃうのかとびくびくしてしまいました。

 

小屋でのパスポートチェックが終わったみたいで、門をくぐったところにある建物に入りパスポートと荷物検査。同じようなことを繰り返し、しばらく待って解放されたので今度はほんとにほんとのイミグレまで歩きます。

イミグレまでは3㎞近く歩くとの情報をネットで見ていましたが、実際にはそんなに歩かなかった気がします。1.5㎞とか2㎞がいいとこじゃないでしょうか。ただっ広い敷地の中を歩き、ついに中国側イミグレーションに到着。お昼休憩開始まではまだちょうど1時間半ありました。

 

中に入ってまたパスポートを預け、携帯チェックやらなにやらの開始です。ついさっきやったばかりなのにこの短時間で一体何が変わるのよと思いながらため息をついていると、フランス人カップルとカナダ人だけ先に行くことを許され日本人だけ残るよう指示されました。逆じゃないの?と思ったんですけど、日本人だけ調べ上げられました。

ここに一人、東アジア人の感じ悪い男性が椅子に座っておりまして、まあ見るからに旅行者なんですけどこの人も通るのに時間かかってんのかなー?とチラチラ見ていたら、「日本人ですよね?僕、元もってないんでもし元もってたらドルと両替してくれませんか?」と声をかけてきました。中国国境を越えてからキルギス国境までかなりの距離があって、そこはタクシー100元と値段が固定されているのですがそのお金がないとのことでした。そんなことも調べずに来たのかこの人…と思いつつ、私はかなりのびびりなもんで元はわんさかもっていたのでドルと両替してあげました。お釣りがなかったので、100元と20ドルで両替。こちらがかなり得をしてしまったので、なんかすいませんと謝ると彼はすたすたとパスポートチェックに行きました。

 

その後も我々3人へのチェックは続き、3人へっていうか大学生君とYちゃんは徹底的に携帯チェックされ、中国入国してからのルートや移動手段を聞かれ、(私なんも聞かれないなあ公安3人くらいいるのにぃ)とふらふらし、Yちゃんが今まで移動してきた電車のチケットを見せるよう公安に言われいて私に話をふってきたので、「トレインチケット?ノーノー!」ともう捨てたよとゴミ箱をさしてジェスチャーで伝えました。すいません、私電車のチケット本当は全部持ってます。ばれたらどうしようと内心ドキドキだったけど、見せたら見せたでそれも面倒になりそうだったので捨てたことにしました。

結局私はほぼノーマークで一番最初に行くことを許され、審査官にご対面。いくつか質問されたような気がしますが忘れました。スタンプを押してもらうまでかなり時間を長く感じたのでそこでもパスポートを念入りに見てたっぽいです。

通過を許されても結局「(キルギス国境に向かう)タクシー運転手に渡しとくから!」とパスポートは返却してもらえず、ゲートを通ると再び荷物検査。大きな台が置いてあったので、ここでやっと中身を全部出されるのか…とため息ついてバックパックを台に乗せると、「中国の地図は持っていますか?」と聞かれました。

正直に、麗江で買った紙地図を差し出してまあこれなら没収されても痛くもなんともないなと思っていると、地図を色々チェックして最後にはご丁寧にビニール袋に戻して返却してくれました。いらないんですけどね。多分視線的に台湾や香港を見てた気がします。

 

無事にすべてを終えるとテーブルと椅子が並んでいて、フランス人カップルとカナダ人とさっき両替した日本人のお兄さんが休憩してました。どうやらみんな揃わないとキルギス行のタクシーは出発しないみたいです。欧米人3人組はほとんどノーチェックで通過できたみたいなので、ルートやら移動手段を聞かれた話をするとかなり驚いてました。

少し待つと大学生君とYちゃんも来たので、お兄さんも含めた総勢7人でキルギスまで。乗用車1台とバン1台に分かれて向かうことになりました。カップルが乗用車に乗り込みバンには我々・・・ってバンの運転手、さっきの金正恩ですね。ちゃっかりしてやがる。というわけで私たちの100元×人数分が彼の懐へ。まあ結局のところ相場通りなので損をしたわけではないのですがやっぱり気分が悪いです。ふん。

 

中国からキルギスの緩衝地帯は絶景でした。

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あほみたいな数のセキュリティチェックはいくら仕事とはいえ気持ちのいいものではないけど、この絶景に救われた感はありますね。

約100㎞くらいでしょうか、2時間近く乗ってた気がします。夕方頃キルギス側に到着したかと思いきやお昼休みの時間帯みたいで、開くのを待ちます。というかこの時点でもうここが何の施設かはさっぱりわからないんですけど…。我々もお昼がまだだったので近くにあった建物へ。食堂や売店が数店舗ずつ入った建物がありました。私は保存食は大量に持ってたし、大学生君はお金がないとかで外で二人で座ってパンを分けてあげるとウイグル人なのかキルギス人なのかもうだれか知らないけどレストランの人が何も注文しなくてもいいから中でお茶でも飲みなさいと呼んでくれました。お兄さんとYちゃんだけご飯を頼んで4人で談笑。欧米人たちは別のレストランへ。

 

どうやら話を聞いてみるとお兄さんは中国を3日で強制退去になったつわものでした。軍事施設近辺で写真を撮ってただけで捕まってこの国境に連れてこられたとか。どうりでお金がなかったわけだ…国境の町にはATMもなかったみたいでただただ困ってたそうです。

 

そんなわけで色々お喋りして時間を潰し、建物の裏にトイレがあるとのことで行ったら過去最高の汚さでした。中国、ニーハオトイレなるものが有名ですが(溝一本を跨いでそこに用を足していくトイレ。ドアがないらしい)、私体験せずにここに来てしまったんですよね。東チベットとかたぶんあったんですけど、恐怖のあまり尿意をすべて我慢して1か月半乗り越えました。ここのトイレは、男女分かれていてドアをあけると小さな仕切りが1つあって穴がふたつ。丸見えですねきっと、誰もいなかったですけど。しかも穴にしようがそこらへんにしようが変わんないんじゃないかなって言うくらいごみで溢れてました。そこらへんでしたほうがよっぽど衛生的だった気がします。誰も来ませんようにと祈りながら用を足して、トイレにさよなら。出発の時間です。

 

また車に乗り込み、開いたゲートに突入。運転手が全員分のパスポートを渡し、それを1つずつチェックして済んだらまた進んで似たようなことをもう1回。出国スタンプさっきもらったと思うんだけどあんたたち何人?もう誰が何をチェックしてるの?よくわかりません。

全て終わると少しして車を出されました。キルギスのイミグレーションは数キロ歩いたところにあるみたいで、タクシーの客引きが群がってきましたが適当につっきっていきました。

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足の長い人たちは歩くのが早い。これはかなり疲れました。早歩きと微妙に長い距離とで…。

しばらく歩くとやーっとキルギス側のイミグレーションを発見!ウキウキで入ると結構フレンドリーなおじさんがいてパスポートを預け、何かを記入していました。その後入国審査官に会い何事もなく無事入国。やったー!やっと中国を出たー!

 

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キルギスを出るとコンテナが並んでます。いざとなったら宿泊できるのでここで夜を明かせますよ。

というわけでここでハッピーエンドで終われればいいんですけど、一応ちゃんとした町まで行きたいということで今日の目的地はオシュかサリタシュと定めておりました。サリタシュが国境から比較的近い場所にあり、オシュはキルギス第二の都市ですが国境からかなり遠いです。4-5時間かかるはずです。私とYちゃんは出来ればオシュに行きたいけど、臨機応変にサリタシュ泊でもまあOKというスタンスで臨んでいました。実際オシュまで行こうと思えば行ける時間帯だったとは思いますが(確かこの時点で16時半頃)キルギス人タクシー運転手の客引きがかなりめんどくさく、みんなで交渉しても一向に値段が下がらなかったので一旦国境から離れようと歩きだすとやっとまともな値段を提示する運転手が我々の後を追ってついてきました。結果、とりあえずサリタシュまで向かうことに。あとはそこについてからそこで宿泊するかオシュに向かうかどうするか決めようとなりました。

 

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国境ーサリタシュ間は絶景の連続で、中国側ではごつごつした岩肌でそれはそれですごかったもののキルギスに入った途端草原が広がってなんだかウィンドウズのデスクトップ画面みたいな景色でした。あんまり写真撮れなかったですけど。

 

18時、ついにサリタシュ到着。

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シェアタクシーを降ろされると強風で極寒でした。サンダルを履いて半そででいたのに凍えるかと思うくらい寒かったです。フランス人カップルはサリタシュに友人がいたそうでその場ですぐ別れ、さあうちらはどうしようかここで宿探すかオシュに行くかとりあえず上着を着るかとわちゃわちゃしていたらお兄さんがなんかそこらへんに立ってたおばちゃんと話し込み宿の値段交渉しててくれました。朝夜込みで500ソム(≒50元≒780円)になりとりあえずもう寒いので宿に逃げるように入りました。

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やっと中国を抜けられた喜びでテンションがあがり、みんなでお酒を買いに行き夜は楽しく過ごしました。というわけで長かった中国編もやっと終わりです。次に中国の感想記事でも書いて、その次からキルギス編に行こうかと思います。

 

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