出国ミッション2日目@トルクメンバシ

Tさんの昇天を見送り、23時頃に就寝した私でしたが深夜1時過ぎなんだか騒がしいので目が覚めました。どうやらフェリーが本当に到着したようで到着ゲートから人がぽつぽつと出てきます。

ちなみにフェリーターミナルは24時間電気が煌々とついていて、冷房もしっかり効いているのでなかなか寝られません。カーディガンとパーカーを羽織ってトラベルシーツにくるまり3連結の椅子の上で寝てました。

 

1時40分頃、警備員に2階に行けと言われるのでついにフェリーに乗れる!と思って荷物をまとめて席を離れるとそのまま放置されてしまいました。今まで寝ていた席も到着してきた人たちに占領されてしまい座るところがなくなってしまった…。

ちなみにフェリーターミナルには待機組がだいたい30~40人くらいいて、普通に座るぶんには全員座れると思いますがみんな横になったりするので座る場所がないときもありました。ただ、みんなもう何日待っているのかわからないけど夜寝る人もいれば昼寝る人もいて、どんな時間も中は明るいし無駄にスペースだけは広いので無駄に歩き回る人もいてなんだかんだ上手くやっていたのです。ただ到着してきた人たちがくるとまた別で席足りない…。

 

すっかりデマ情報に踊らされ寝る場所をなくしたので地元の人たちと3時半頃までお喋りしてました。現地の方がチャイとナンとおかずをくれました。たいした写真じゃないですが、この黒いのは茄子でめちゃくちゃ美味しかったです。塩漬けしたわけではないだろうけど結構しょっぱめでこれをおかずにナンを頂きました。

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3時半頃に就寝。3連結椅子が空いてるのが確保できたので。ただそのうちの1つに物が置いてあったので2つだけ使って控えめに寝ました。床にはアゼルバイジャンから到着した欧米人が転がっておりました。早くターミナルから出ていきなさいよ…と思ってましたが、たぶん彼らはダルバサで会った彼らと同じように車を持ち込んでるっぽくて車の検査が終わらないんだろうなと思います。

眠りに落ちそうなとき急に坊主に起こされ、「自分、外のほうが暖かいので外で寝てきます!」と宣言されました。外で寝ていいけど起こすなよ…。と思って疲れもとれぬまま目を覚ますと6時半。私のすぐ隣(物が置いてあった椅子)に坊主が座って寝ててびっくりしました。外で寝てたら警備員に怒られたそうです。

私とは時間をずらして寝る坊主。

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またふらふらして、8時から9時半頃まで寝ました。今度は床に寝っ転がって寝たのでよく寝れました。すごく床冷たかったですけど。

ちなみにターミナルの人間たちは修学旅行みたいな感じで夜になればなるほどお喋りが盛り上がってました。騒いでるわけではないですがやっぱり寝るにはちょっとうるさいです。明るいし。24時間ずっとこれです。

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このへんから15マナトの使い道が難しくなってきました。レストランで食事をとれる金額ではありますが、2階で何日か待機できるようスナックを買うか、今食べるのに使うかどうかです。とりあえずレストランに行って決めるか~と外に出ようとすると制止されました。外に出るな、と。え?いやまだビザの期限切れてませんし・・・と言っても出るなの一点張りで、というかこの出るなと言ってる人は普通にポロシャツ着てて一般人に見えるのですがお前誰だ?警備員か?って感じです。

理由もわからずターミナルの外に出ることを禁じられてしまった…。となると自分で持ってる食料に手を付けるしかないですね。ナッツ類と昨日買ったお菓子とコーラと少しのパン。本当のサバイバルが始まりました。とりあえず水はまじで売ってないので今ある1リットルの水を消費しないようにコーラとパンをちょっとつまんでお腹を満たしました。お腹空いたよ~。

 

何が何だかよくわからないので受付のお姉さんに「レストラン行っていい?お腹空いた…」と言ったら「ごめんね今はダメなの。座って待ってて。」と言われました。とりあえずポロシャツ男のただの嫌がらせではないようです。

腹が立つのでポロシャツ男の周りをぐるぐるとひたすら歩き回り、無駄にポロシャツ男の死角に入るよう柱の陰にたったり、出るわけでもないのに出入口に近づいてみたりしました。ポロシャツ男は私が勝手に出ていかないか心配なようで私を見える位置に常にいるようでした。私は「お前のことなぞ絶対椅子に座らせてやらん」と思いそれはもう柱の影から色んな死角を歩き回りました。無駄にお腹がすきました。そして坊主には小学生みたいですねと言われました。仰る通りです。

嫌がらせ鬼ごっこの舞台。

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もう疲れ果てたので、受付のお姉さんの真ん前の椅子でペットボトルの水をひたすら眺めてました。お腹空いて死ぬアピールです。そうするとお姉さんがついに「今から外に出ていいわよ」と言ってくれました。そうすると同じタイミングでみんな外に出て行ったので、どうやらここにいた全員が軟禁状態だったようです。それ教えてくれよ、ターミナルの住人たちよ。船が到着して荷物の積み下ろしをしてるからなにか紛れ込まないようにとかそういう感じなんでしょうか。

 

坊主と意気揚々と外に出てレストランに駆け込むと、レストランはやっていませんでした…。終わった…。

レストランの更に隣にホテルがあったのでそこを覗くと飲み物が売ってました。またも水以外。値段を聞いてみるとホテル価格なのか全部高かったのでもうコーラを買いました。今日中にはフェリーに乗れるとかけて3マナト残してお金を使いました。

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ターミナルの住人たちの中には「もうアシガバード帰るわ」と帰っていく人たちもちょこちょこいました。基本同じメンバーですが、帰る人新しく来る人…少しずつ人員を入れ替えて同じくらいの数を保っています。が、出国を諦められるってむしろどういうことでしょうね。あんなに食料を蓄えてきておいてただの海外旅行とかそんな用事だったんでしょうか。親戚の家に行くとか?

 

夕方になるとおばちゃん達がまたご飯に呼んでくれました。人の食事を貪るゴキブリのような私たちですが現地の方々はほんとに優しくてほら食べなさいと嫌な顔ひとつせず恵んでくれます。なんでそんなに優しいの…。

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と、そうこうしてるうちについにお呼びの声がかかりました。ついに2階に来なさいとのことです。ターミナル軟禁生活まだたったの2日目、17時半頃のことでした。

ついに我々もあの2階へ吸い込まれる時が。

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荷物をまとめて2階へ行く階段?エスカレーター?が向こう側にあると思われるドアをくぐるとき、良くしてくれたみんなが集まってきて「またね~」とお見送りしてくれました。みんなで同じ船に乗れますように。

 

ドアを超えるとパスポートチェックと荷物検査があり、少しだけバックパックをチェックされましたが緩かったです。すぐに2階へと行きパスポートコントロールを無事通過、出国スタンプを押してもらえました。

パスポートコントロールを通過すると、2日前にここにきた日本人の方、Tさん、おばあちゃんが3人だけでした。おばあちゃんは私を見たら喜んでハグしてくれました。にしてもこのおばあちゃん荷物がハンドバッグ1つなんですけど無敵なんでしょうか。

 

2階も広々としていて充電器もあるし確かに売店は無いけど静かなので寝ることだけを考えたらこっちのほうが過ごしやすそうです。食料の心配がなければ。その分話す人もいないのでまじで時間が経つのが遅そうですが…。

とりあえずトイレ行こうと思ったら2階の女子トイレは電気が全くつかず使えませんでした。たまたま女性職員が通りかかったので、「ライト?」と聞いたら「あ~そこだめなのよね」と言われました。仕方ないので男子トイレへ…。ちなみにこのターミナル、新しいので設備はもちろんめちゃくちゃ綺麗ですが、1階女子トイレはめちゃくちゃ汚かったです。使い方の問題で。そして個室3つありましたが一番奥は明らかに壊れていて手前は鍵がかからず真ん中のトイレだけ使用可能です。どういうことだってばよ。

 

Tさんと一日ぶりの再会に喜び、坊主は再び歯を磨いていると「乗船だ!」と声がかかりました。船に乗れる・・・!

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やっと乗船出来ました。結局フェリーターミナルにきて二日目の夕方でしたが、ものすごく長い時間に感じました。

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船内に入ると女性の船員さんに1人部屋に案内されましたが、やっぱりそこはだめ!と言われておばあちゃんと2人部屋になりました。おばあちゃんはまたハグしてよろこんでくれてどこからともなくご馳走を出してくれました。

おばあちゃんがくれたご馳走といつのまにか部屋に来て貪る坊主。

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食べてる最中に気付きましたが、おばあちゃんいつこれを…と、案の定下痢気味になりました。まあいいです。美味しかったので。

 

船内散策。

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船の前にはトルクメニスタンの国旗、後方部にはアゼルバイジャンの国旗がありました。

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隣に停泊していた船

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みんな乗ってきませんねえ。

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船は出航していませんが夜ご飯。後先考えずに出来る食事がどれほど幸せか…

しかもコーラかファンタか選べる仕様です。ヨーグルトスープにペンネにケチャップと爆弾みたいな肉がのってました。お味はなんかアレですがほら空腹は最大の調味料といいます。まあおばあちゃんのあの麺があったので、いうほど空腹でもなかったのですが。食べれるようになったらすぐに文句を言うあほうです…

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そして食後には共有スペースにお茶がありみんなでそれを飲んだり、各自部屋でリラックスしたりしておりました。

夜に暇なので外に出てみると日本人たちと船員さんたちがお喋りしてたので混ぜてもらいました。

船員さんたちはアゼルバイジャン人で英語がお上手でした。これから行くアゼルバイジャンは現在お隣のアルメニアと戦争中だそうで、今でも毎日のように国境付近ではドンパチやってるそうです。アゼルバイジャンは徴兵制で実際彼の友人も2人戦争で亡くなったそうです。彼曰く、「アゼルバイジャンの軍隊は結構強いから本気出せばすぐにでもアルメニアを潰せるが、アルメニアのバックにはロシアがいるからロシアとの関係性を悪化させたくない。でも俺たちもトルコと組んでるからすぐ攻めればいけるんだけどな」とまじめな顔で言ってました。彼は私と同じ歳ですが、自分の国の軍隊(自衛隊)がどこと比べてどれくらい強いかなんて私は考えたこともなかったし、戦争で友人を亡くすなんてやっぱり私には想像できないし国が違えば歳は同じでも全く違いますね。その場にいた日本人全員がいくらアゼルバイジャンが強くても相手がロシアじゃ…と思ったとは思いますが。仮にトルコが味方だったとしても。

そしてこれだけ隣国の名前がホイホイ出てくるのに、ど真ん中にあるジョージアの名前が出てこないのもなんだか不思議だなあ。どうなってんだろう。

とりあえず彼曰く、バクーにはそんな兵士たちが眠っている「名もなき兵士たちの公園」があるから是非行ってみて、とのことだったので訪れてみようと思いました。

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部屋に戻るとおばあちゃんがもう寝ていたので私も寝ました。やっとゆっくり寝れる…。起きたら出航していますように。