眠れぬ夜、恐怖の正体、散財
さて、クフナウルゲンチの世界遺産を後にしてダルバサに向かうところからです。
じゃあダルバサに何があるんだってところから始めますけども
このダルヴァザのカラクム砂漠に、あるクレーターが存在します。
トルクメニスタン国内のダルヴァザ付近の地下には豊富な天然ガスがあります。
1971年に地質学者がボーリング調査をしました。その際に天然ガスに満ちた洞窟を発見し、採掘中に作業装置が置かれていた場所ごと崩落してしまいました。
その穴は直径およそ90m。
そこから噴出する有毒ガスの放出を食い止めるために点火しましたが可燃性ガスが地下から絶え間なく吹き出るため、延々と燃え続けてしまっているのです。
のちに住民はこの穴を「地獄の門(英:Door to Hell)」と名づけました。
トルクメニスタン政府観光局HPより。
バカですねー。なんで火つけたんだろう。
というわけでそんな地獄の門を見に行ってきます。
砂漠の中にありますんでね、みんな幹線道路沿いにチャイハネっていう休憩所?お茶屋さん?あるみたいなんでそこに大きな荷物を預けて砂漠を何キロも歩くみたいなんですよ。
我々も荷物預けて歩くの頑張らなきゃねー暗くなるまでにつかなきゃねーなんて話してたら、さすがランクル、砂漠をつっきって地獄の門まで車を横づけしてくれました。なんともゆとり世代らしい到着の仕方です。
おおおー!!
燃えてるー!!しかも超暑いんですけどー!!
なんかみなさん一生懸命歩いて歩いて、砂漠の向こうにぼんやり光るこれを見つけてたいそう感動するらしいですが、楽してもそれなりに感動しました。こう書いちゃうとあれなんですけど。
すごいすごいワーワーはしゃいで、本日のキャンプ地を探さねばいけません。ライアンは旅行会社のユルトに泊まるそうで、そのへんにぽつぽつってか結構ユルト建ってます。我々はお高いのでお断りしてその辺で寝ることに。
水曜どうでしょうより
ガスが出てますから風向きに気を付けて、かつ近すぎても人がいて治安的に不安だし離れすぎても良くないし…と思ってたけどまあまあ離れたところに陣取りました。地図で見てざっくり穴から北に200mくらいあるみたい。感覚的には100くらいかと‥。近すぎても暑くて眠れないんですよ。
で、ちょっとだけ小高い丘みたいになってたのでその裏まわってるとトイレットペーパーとか落ちてるんですよね。あーこれみなさんのトイレの陰になってるところでしたか。まあそんなの気にもせず坊主がなぜか斜めの場所を土均ししはじめました。頭側がちょっと高くなるようにしましょう!とのこと。これが大きなミスでした。
設営完了。といっても災害用の銀シート引いて荷物置いただけですが。
私は適当に砂漠をお散歩しました。
小さなコロコロした糞だらけ。こんなところにウサギなんている…?
そういえばサソリが出るらしいです。見たって人はいないけど、みんなサソリがいるらしい。と書いている。気をつけなきゃいけないけど気を付け方がわかりません。蛇もいる?この穴はなに?これもたくさんありました。
キャンプ地へ戻りました。私たちよりも更に遠いところにテントを張っていた人がいたんですがもっと穴の近くへ移動していきました。移動する際中に遠くから手を振ってきたので振り返すとニコニコ近づいてきてなんだか人のよさそうなドイツ人でした。ヒッチハイクやらカウチサーフィンやらを利用してほとんどお金を使わずにヨーロッパからここへ来たみたいです。またあとでね~と挨拶してお別れ。
静かで良い感じの夜を過ごせそうだと思ったら…
なんかすごい大群がきました。
こういう人たちヒヴァでも2台くらい見かけたんですよね。
モンゴリアンラリー?とかっていって、ヨーロッパからモンゴルまで車で駆け抜ける団体?その旅行を指す言葉?なのかわかんないけどそういうのがあるみたいです。車をがっちがちにデコってシール貼りまくり、この手の集団は絶対夜うるさい…。
と思ったら今度は別のほうから怒鳴り声がして、どうやら白人カップルとタクシー運転手がお金で揉めてるみたいでした。料金をあとから変えたのか、往復と片道の勘違いがあったのかわかりませんが、男が延々「F**k!F**k!」と叫び女が「Open up!Open up!」とずっとすごいでかい声で叫んでました。どうやらトランクの中に荷物を閉じ込められて金を払わないと出さないといってる模様。にしても2人ともそれしか言わないから、意外と白人も語彙力は多くないのかも、と思いました。結局女が無理やり運転席に行ってトランクを開けたのかわかりませんが、、、
砂漠で野宿ってこんなんなんけ?もっと静かに燃える炎を眺められると思ってたよあたしゃ…。
変な虫もいた。
夜です。
夜のほうがやっぱりかっこいい!!
まあ白人連中がいなくたって、坊主に散々自撮りに付き合わされてまったくゆっくり眺めることなど出来ませんでした。私は絶景でもなんでも一人でぼけーっと見ながらのんびりするのが好きですが、彼は写真命のようですんごい枚数を撮らされました。私もちょっと撮ってもらいましたけど。いや、思い出しましたけど撮ってもらったというより撮られただけでした。
しかも坊主の罪は、さっきのテントのイケメンドイツ人が一人でたそがれてたので話しかけようかなと近づくと、反対側から坊主がやってきて「こっちでも写真撮ってくださーい!」とお願いしてきました。なんで私はこんなときに一人じゃないんだ…と思いながら坊主の写真を撮るのでした。結局その後ドイツ人と話は出来ず。
この写真は坊主が撮ったやつです。彼は何を思ってドイツ人を撮ってたんでしょう。
ちなみに観光地なだけあって、写真にいるようにバイクに乗った人がたまにビールを売りにきたりパトロールの車が通ったりします。想像以上に観光地化されてるみたいです。まあ白人暴走族集団と喧嘩カップルを除けばユルトにいるライアンと私たちとこのドイツ人しかいなかったと思いますが…。ついてないなあ。
ひとしきり写真を撮って、そこらへんの山に登って上からも写真を撮って、トイレを済ませさて寝ますか。となりました。
ライアンも明日アシガバードに向かうそうですが、車に乗せてもらうのはお断りしました。楽だけど、お金が結構かかっちゃうし。というわけで日が昇って暑くなる前に砂漠を脱出し、幹線道路沿いでヒッチハイクしなければならないので寝ます。
が、寝れない…。
坊主どんな土の均し方をしたのかわかりませんが背中がぼこぼこです。体が痛くてちょこちょこ寝がえりをうつのですがこの引いてる銀シートがガサガサすごいうるさい。そして遠くから白人暴走族の音楽が聞こえてきて、っていうかあいつら楽器持ってる?ドラムとかそっち系の打楽器。めちゃくちゃうるさいんですが…。坊主もちょこちょこ起きてるっぽくなんかそれも気になるし、寒くはないけど雨が降ってきたのでマウンテンパーカーを着こみ、遠くで雷が鳴ってます。幸い雨は強く降らずにすぐ止んだものの結局全く落ち着かず朝を迎えました。5時半起床です。
私「全然寝れんかったね」
坊「口開けて普通に寝てたじゃないすか…」
寝れなかったんですけどね。仮にそうだとしても嫌味っぽく言わなくていいじゃないか…でもどおりで口の中砂でじゃりじゃりすると思いました。
ちなみに坊主は夜中、自分の近くからゴソゴソ音がするので起きたら横にこんなやつがいて怖かったらしいです。
ハリネズミ?うさぎ?
両手に収まりそうなサイズだったらしいですがこれが怖くて寝れないってのもなんかおかしな話です。まあ確かにカメラだから明るく写ってるけど、暗闇ですぐ隣に生き物いたらびびるか…。
結局あんまり寝れずに撤退です。砂漠を抜けましょう。
暑くなったら40度。6時20分には出発しました。
行きはランクルで獣道?みたいなところを通りましたが、帰りは道なき道を。幹線道路まで最短距離を行くことにしました。車が通るような道ではないので自力で最後まで行かなきゃいけません。
砂漠の山を越えて
線路を渡って
ずーっと続く大地をひたすら歩く。
靴が棘だらけになってました。ズボン履いててもたまに足になんか刺さりましたし。砂漠恐ろしや。
幹線道路に着いたのは8時半。さらっと書いてますが相当しんどかったです。荷物全部背負ってんだもん。
ここからアシガバードまではヒッチハイクです。11時にアシガバード行のバスが通過するそうですので捕まらなければそれに乗ればいいだけなので気が楽です。
が、交通量が少ないうえに結構断られます。見た感じ車は満員です。一応運転手が我々を見るとバツ印をつくってジェスチャーしてくれますが停まる気配なし。9時を過ぎるともう日差しがかなり強くて、日陰も全くないのでちょっとしんどかったです。こんなときに坊主は歯磨き狂なので横で歯を磨きながら、車が来たら「よっこらせ」と立ち上がり歯ブラシをくわえたまま親指を立てておりました。お前捕まえる気ないだろと思いましたが…。
結局10時まで粘ってやっと1台停まってくれました。これも旅行会社の車で、お客さんをアシガバードまで迎えに行くところとのことでした。無料で乗せていただきました。感謝感謝。
結局鉄道駅の北側にあるバスターミナルまで送ってもらえました。13時少し前に到着。アシガバードの市バス。
大統領の写真付き。さすが独裁国家。
バスの中をみて思ったのは、トルクメニスタンの女性はまた雰囲気が変わりました。スカーフの巻き方がウズベキスタンとは違いますね。たぶんスカーフの中になにか型紙?みたいなのが入ってるようで、どうも立体感があります。お洋服もなんかおしゃれ。写真にとれなかったのが残念だけど、私は結構好きでした。
あとはアシガバード市内の建物は白い建物のみ、走っている乗用車も白だけと聞いていましたが、確かにバスも乗用車も白い。ただ乗用車は実際はシルバーもちょこちょこありましたけど、黒だとか暗い色は全く見ませんでした。
アシガバード駅に着き、翌日の夜行のチケットを買いにチケット窓口へ。
これがまた、並んでんのに自分たちの前にどんどん人が増えていくという謎の現象がありましてね。すごかったです。坊主と二人で並んでたんですがもう全然進まなくて、最後は坊主にパスポートを託し、二人でガンガン前に詰めてなんとかチケットを買えました。窓口についたときパスポート?身分証明書?を持った毛むくじゃらの手が後ろからたくさん伸びてきてその手で坊主が見えなくなるかと思いました。隣にいるはずなのに。
「インドに行ったら、インド人の顔が自分の肩の上にある」と南旅館で言ってる人がいましたが、これに近い状態なのかな…。
疲れ果てました。宿に向かって歩いてる途中、一台の車が横に停まったかと思えば我々が行こうとしていた宿のオーナーだったみたいでそのまま乗せてってくれました。
砂だらけだったのでシャワーをして洗濯をし、ちょっと休みますかと気付いたらだらだらしてしまいふらっと歩いて夜ご飯だけ食べて終わりました。もっと精力的に観光しなさいよ時間ないんだから…。
ウズベキスタン料理じゃないのが嬉しくて、これに生ビールも追加し二人で1400円とか?豪華にやっちゃいました。トルクメニスタンご飯美味しいよう…。