何か大事なものを失った気がする
ブハラから始まった体調不良も約1週間続き、病院へ行くことに。
坊主はモイナクに日帰り観光に行くとのことで朝早くに出ていき今日は一人で朝食です。さすが泊った宿はホテルと名前がついているだけあって部屋も綺麗だし朝食も豪華です。もちろんお値段もそれなりなんですけど。
ソーセージや卵がちょっと油っぽかったけど…。
というわけで宿の人にここらへんで一番大きな病院を聞いて、タクシーを呼んでもらいました。保険会社曰く、タクシーは領収書とかでないでしょうけど乗降場所と値段を教えてくれたら出しますから~と。すごいですね。
というわけで宿の人から聞いてたタクシーの運賃よりかなりぼったくられましたがいいです。私じゃなくて保険会社ですのでぼったくられてるのは。
で、ついた病院なんですが、確かに大きいけどなんかバイオハザードみたいなんですよね。古いのは良いけど、ものすごく暗い。一面緑の壁がなんか黒ずんでたりして。
キルギスで会ったKさんもブハラで体調を崩し綺麗な病院で入院しました~♪みたいなことを言ってたので、私もあわよくば入院できたら今日の宿代浮くし…とか考えてたんですが、この病院には絶対に入院したくない。そこらへんの木を杖にして歩いてるおばあさんとか見るからに具合悪そうなお兄さんとか、壁の色と暗い照明のせいで顔色がなんか…。というわけで正直病院のどこにいけばいいかもよくわからなかったのですが、そこらへんにいた看護師さんに「お腹痛い・下痢・1週間くらい・旅行者です」みたいなのをロシア語で書いて見せたらちゃんとお医者さんのところに連れて行ってくれました。
問診後、横になって触診され、ふ~むと言いながら渡されたカルテ。
読めるの?これ。
で、今度は別の綺麗めな部屋に連れていかれまた横になってお腹にジェルを塗ったくられ機械を当てられました。こちらの部屋にいたドクターと看護師さんは英語が出来たので安心です。詳しく病状を説明して検査の結果、「胃と腸自体に問題はないから感染症かも。この病院じゃなくてちゃんと専門の先生がいる病院を紹介するからそこに行きなさい」とのことでした。
結局このドクターがタクシーの手配とお見送りまでしてくれました。そしてこのタクシーでもたぶんぼられてます。良いです許します。
2件目の病院は規模は1件目より大きくはなさそうですが比較的綺麗です。というかおチビちゃんばかりいてこれ絶対小児科だと思うんですが…。
で、2件目の病院は英語が話せる人がいなかったのですがちゃんと丁寧に翻訳アプリを使って対応してくれました。ロシア語→英語の翻訳でしたけど簡単な質問ばかりだったので私でもなんとかなりました。
今度も触診されて、色々と質問されてお医者さんから一言。
医「こりゃenemaだね!」
私「enema?」
医「そう!enamaしよう!」
私(enemaってなんじゃ…英語→日本語にして…enema…)
翻訳アプリ「浣腸」
ほ~~~そうきましたか。
というわけで看護師さんがなんか紙にたくさん箇条書きで書いてくれて、そこに薬局あるからこれらの薬を全部買ってこいと。そして手に入れたのがこれ。
Max Enema
これを2本です。
医「浣腸できる?」
私「え、自分で?」
医「もちろん」
私「できません…」
医「ぷっ」
看「出来るわけないでしょ」
医者くらいになるとセルフ浣腸できるんでしょうか。っていうか浣腸する機会ってそんなにありますか?座薬ならともかく…。看護師さんの最後のセリフは完ぺきに想像ですがたぶん私をフォローしてくれてるような発言だったと思います。
溜息をつきながら連れていかれた部屋には既に浣腸済と思われる赤ちゃんがギャン泣きしながらお母さんに背中と両足を持たれてバケツにうんちしてました。ついでにおしっこもとびちって床はぐちゃぐちゃ。看護師さんは濡れていた台をそこらへんの雑巾で拭き、なんか拭ききれてなかった部分を2人で見て目を合わせて笑い、再度台を雑に拭いてここに横向きに寝なさいと指示してきました。今私が寝ている台は一体何で濡れてたんだろう…もう少ししっかり拭いてほしかったわ…。
お尻をぺろりと出して壁側にお尻が向くように横になったのですが、違うそうじゃない逆よと言われてみなさんのほうにお尻を出しました。顔や腕に比べて圧倒的に白いお尻。背中と両足を持たれてギャン泣きしながらうんちを漏らす赤ちゃん。静かにしなさいと叱るお母さん。冷静にMaxEnemaを差し込む看護師。カオスってきっとこういうことを言うんだ。そしてそれまで調子よくて腹痛なんて一切なかったのに、浣腸されたらやっぱりお腹痛くなるんですね…。2本さされたあと今までにない速さでパンツをあげてトイレに駆け込みました。駆け込むっつったってギャン泣きしてる赤ちゃんの隣なんですけど。バケツじゃなくてよかったです…。
出すものを出し、それでも腹痛が収まらずとりあえずベッドに案内されました。ずいぶんと患者をいたわる気のないベッドです。1泊300円の宿だってもう少しまともなベッド使うぞ。ベッドというかマット。
ここでも再度、部屋のトイレに駆け込み気付くんですね。
トイレに何故かドアがふたつある。そして私が入ってきたドアは自分で閉めたけどもう一つは外に繋がっていてそっちは今全開である、と。なんやねんこの病院…と文句を言いながらなんかもうどうでもよくなってとりあえずパンツだけあげてドアを閉めました。
その後、ホテルに帰るか念のため点滴を打つか聞かれたので点滴してもらうことにしました。病院でよくあるあの光景。
しばらくうとうとしてやっと帰されました…。
この私が寝ていた部屋の近くに、子供と一緒に来ていたお母さんがいてその方が英語の先生だったみたいで、私と看護師さんの間にたって通訳をしてくれました。本当にお世話になりました。
この2件目の病院から宿が一番距離ありましたが一番安い価格でタクシーで帰れました。最後の最後に良い運転手にあたりました。
処方された薬たち。
何がなんだかよくわからなかったけど、とりあえず全部飲み切るようにと。飲み方や回数は全部英語の先生が教えてくれました。
病院から帰ってしばらくすると坊主も観光から戻ってきて、夜ご飯に行きましょうと誘ってきました。今日はやめとくよ…って返したんですけどね、「え~寂しいので来てください!何も食べなくていいです!横でコーラ飲んでるだけでいいので!」と無理やりレストランに連れてかれ、そしてこれ。
二人旅の最大のメリットは食事というけれど…こいつ私のことまるで心配してないな。そして流されすぎる私もだめなんですけど。
というわけでこれを機にウズベキスタンで続いた腹痛はすっかりよくなりました。みなさん旅行の際にはちゃんと海外旅行保険に入りましょうね。病院はさすがですよ。
あ、ちなみにですね、2件目の病院で言われた今回の腹痛の原因、「君はウズベキスタンフードが合わないね、もう食べるのやめな!」とのことでした。もう二度と来るかこの国。