4か国目カンボジアへ

今日はカンボジアアンコールワットで有名なシェムリアップへ向かいます。

 

結局宿でバスチケットを手配してもらいました。ピックアップは8時半予定でしたが実際に来たのは8時50分頃で、トゥクトゥクか何かが来ると思っていたらボロボロのバスが迎えにやってきました。宿から同じピックアップに乗る人は自分の他に3人、シーパンドンに向かうと言っていたイタリア人も同じピックアップでした。

そうそう、シーパンドンとは英語で4000 Islandといって、そのまんま4000もの島があるそうですよ。ラオス内陸国で海がないのでメコン川に浮かんでいる島の数ですね。シー(4)・パン(千)・ドン(島)だそうです。
なかなか落ち着いた環境で良い場所と聞いていましたが、宿の値段を調べたらそれなりだったので今回はご遠慮しておきました。次回はないと思います。

 

11時30分頃にバスはシーパンドンに行くフェリー乗り場の近くの広場に停車しました。バスに乗車していた現地人たちは途中下車していたようで、私以外はみんな欧米人だったかと思います。ここから国境へ向かうにはミニバンかと思っていたんですが、バス会社の人に尋ねると「え?あんた国境なの?」という反応をされました。広場にいた欧米人はみんなシーパンドンへ向かうか、今私が乗ってきたバスに乗りパクセーへ向かうみたいです。ちょっと不安…。ちょっと待たされて、トゥクトゥクに乗れ!と言われました。トゥクトゥクってバイクの後ろに座席がくっついてるけど、これはサイドカーみたいな感じでトゥクトゥクも色々種類があるんですねえ。

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というかその広場から国境まで10㎞以上あったような気がするんですが…広場の前は舗装されていない道路で、ここをトゥクトゥクか~砂にまみれるな~とちょっと憂鬱。しかもこんなに人たくさんいるのに国境行くの私だけか…と思って運転手を待っていると、もう1人女の子が来てその子も国境に行く模様。「1人じゃなくて良かったね!」とお互い安心です。

女の子はアメリカ人のデニーと言って、「あら山羊だわ!可愛らしいわねおほほほほ!」みたいな喋り方をする子でした。(違うかもしれないけど)
デニーはこの辺を旅行する人には珍しくスーツケースを引っ張り、スーツケースに入らなかった大量の荷物を手にかかえなんだかとても大変そうでした。国境に向かうまでお互い旅行をした国の話などしましたが、いやあアメリカ人の英語は本当によくわかりません。なんであんなにむにゃむにゃ言うんでしょう。
デニーカンボジアビザを取得していないらしく国境でうまくとれるか不安だと、私はシェムリアップ行きのバンがどこに停車するかわからなかったので宿を予約してないんだと言うと、デニーは1泊2ドルのドミを予約しているというので、着くころには暗いだろうから一緒に行っていい?と聞くともちろんよ!と言ってくれ、何気にこの旅初めて宿を予約せず行動してたのですが不安が一気に解消されました。私も、シェムリアップまで同じバンだろうし待ってるからビザ手続き頑張れ、と言っておきました。
だっていつもは新しい街に行くとき、だいたいバスターミナルがどのあたりにあるのか予測して、夜に到着するならターミナル近めでとろうと思っているのですが、シェムリアップといったらこれ。

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まとめなさいよあんたたち。

 

結局、運転手が電話するのに停車をしたりガソリンを入れたりエンジンが付かなくなったりして国境についたのは12時半過ぎでした。ぱっと見、私とデニー以外には誰もいません。
ラオス側のイミグレに到着すると、ふむふむとパスポートをチェックされます。

審「2ダラー」
私「は?」
審「2ダラー」
私「なんで?」
審「スタンプ代」
私「…」
審「2ダラー」
私「OK(7500キープ≒0.8$バシーン!)」
審「2ダラー」
私「…(7500キープ+ありったけのタイバーツじゃらーん!)」
審「2ダラー」
私「キープとバーツで3$分あるよ!(そんなにない)」
審「2ダラー」
私「…(半泣きで広げた小銭と紙幣を拾い集め2$渡す)」
審「センキュー(スタンプポーン)」

 

やばいです、機械でした彼は。目に光がないんだもん。しかも私の目を見ないで宙を見てるんだもん。何か狂気を感じました。
カンボジア側の国境で賄賂が横行しているというのは聞いていましたが、ラオスもでしたか。溜息をつきながらすごすごカンボジア側へ向かいます。デニーもあっさりと2$払っていたようでした。
この糞ったれー!と思っていたらラオスカンボジアの間に牛の糞がたくさん落ちていたのでざまあみろです。牛はいませんでした。

 

続いて悪名高きカンボジア入国手続きです。
カンボジア入国にはビザが必要ですが、アライバルビザといって到着時に申請すれば取得出来るそうです。ただそこでも賄賂を要求されるというので私はタイのカンボジア大使館で事前に取得していました。今回の場合、私は入国手続きだけすればいいけれど、デニーはビザ取得+入国という2つのミッションがあります。

建物の中に入って少し歩くと入国のカウンターがあります。その前のテーブルで入国審査の紙を記入します。
この建物もラオス側に比べたら広いわりに人がいなく、職員も全然見当たりません。紙を記入し、恐る恐るパスポートと一緒に提出します。ドキドキ…

審「どれくらい滞在する?」
私「10日間です。」
審「どこ行くの?」
私「今日はシェムリアップに行きます」
審「ふーん、OK!」
私(やったー!)
審「隣の窓口からパスポート受け取ってね」
私(2歩横にずれる)
審2「〇〇(私の下の名前)~!2ダラー!」
私「…………」
審2「2ダラー!スターンプ!」
私(2$ぶん投げる)
審2「アリガトーマイフレーンド!!」
私(〇すぞ…)

 

いやーー危なかった!!ぶん殴ろうかと思うくらいむかつく憎たらしい親父でした!久しく忘れていたむかつくという感情を取り戻しました。せっかくビザ取得してきたのにまったく安く収まっていない。はあ…

 

そんなやり取りをしている間にデニーはというと、入国審査の窓口ではなくあっち(ビザ取得の場所)に行けと言われていて、それっぽい場所はあるものの無人です。どうすればいいのよ??と私から遠いところで困り果て、「ねえ…アメリカ人困ってるよ」と入国審査官にいうと、「ちょっとまて!いま電話してるから!」と。ビザ作るやつどこ行ったのよ。無駄に金とるんだから仕事位まじめにやれよと思いつつ、「いま電話でスタッフ呼んでるってー」と遠くのデニーに伝えます。ものすごく不安そうな顔です。

私もその辺の椅子に腰かけると、どこからかお兄さんがバイクでやってきて、チケットを見せろと言います。なんのことだ?と思ってとりあえずパスポートを見せると、チケットチケット!と言われバスチケットのことだったみたいです。
バスチケットを見せると、もう入国は済んだんだな?行くぞ!というので、あのアメリカ人もシェムリアップ行くけどまだ済んでないよと伝えると、君だけでも先に行こう!と。その様子を遠くからみていたデニーは絶望したような顔でした。置いていかないでくれ…と。まあ私が逆の立場でもそうだったと思います。
きっとバンで会えるよ、ごめん先にいって待ってるね!と伝え、不安そうなデニーを置いてお兄さんのバイクにまたがろうとしたら制服のおじさんに呼び止められ荷物チェックをするとのこと。
サブバッグを開いて物を取り出し中身を確認し、バックパックも開いてあらびっくり。たくさんの巾着。適当に一番でかい巾着をあけてそれ覗く必要あった?くらいのチラ見で終えました。バックの外にくくりつけてある袋を手にとろうとしたのでそれはシューズが入ってるよというと、あ、そうなのと言ってそれで終わり。よほど暇だったんでしょうね。怒りますよ。

形だけの荷物チェックを終え、お兄さんのバイクにまたがり数十m進むとまたパスポートチェックをし、また数十m進むとバンが止まっていました。バイクに乗る必要あったかしら。

カンボジア側には売店が2,3件建っているだけでATMも何もありませんでした。バンの中には国境を渡ってきたのか現地人しかおらず、バンの上には大量の鶏が乗っていました。バイクのお兄さんは私に前の1人席をあてがってくれ、良い兄ちゃんだ!と思ってると彼が運転手だったみたいです。まだバンは3~4人分くらい空きがあったので、満員にならないと発車しないんだろうな~と思っていると私の後にどこからともなくやってきたおじさんを1人載せ発車しました。
あ、デニー…ごめん…。
バンは1台しか停まっておらず、車を走らせるとすぐ赤土にまみれた舗装道路です。ところどころ舗装はされていなく道路状況はあまりよくありません。長い1本道が続き、向かってくるようなバンやバスもしばらくは見ず、デニー終わったな、置き去りにして本当ごめん。と心の底から思いました。でも自分でどうにかなるようなことではなかったので仕方ないです。

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というわけでついに4か国目カンボジアに入国しました。道はカンボジアらしい!という道が続いています。基本的には1本道でたまに村があるというよりかは、道路の両脇にぽつんぽつんと定期的に家が建っている感じです。土は真っ赤で、牛が闊歩し、木が立ち並んでいたかと思えば平野が見えたり、すこし遠くに山が見えたりします。1本道なはずなのに気付いたら交通量が増えていて、増えていると言っても目の前にバイクが4~5台走っているのが見える程度ですが、この人たちは一体どこから来てどこに向かってるんだろうなとぼんやり考えていたら大きな橋を渡りかなり大きな街に着きました。国境から約1時間ほどでしょうか。バンのドアが開くと客引きのお兄さんなのか、頭の一部を金髪に染めていてかなり大きな声を出しかなり前のめりで我々に向かってなにか叫んでいます。ああこの感じ…フィリピンを思い出す…。同乗していた現地の人たちはプノンペンに向かようでした。運転手が、君はここで待っていなさいというので乗り換え無しでシェムリアップまで行くんだと思ってぼーっとしていると、いつのまにか運転手が私のバックパックを担いで走り出したのでついていくと別のバンが停まっていました。乗り換えだったみたいです。
パクセーの宿で買ったチケット、VIP bus/minibus Direct 10hoursと書いていたけどVIPバスでもなければダイレクトでもなかった。はは…。

 

14時半頃にその街を出発しました。イギリス人家族やフランス人2人組などが乗っていてなかなか楽しい雰囲気の車内でした。
道路状況は変わらず、舗装道路ときどき舗装無しです。舗装があっても赤土や砂利が乗っていてガタガタする道も結構ありました。ラオスの道は飛び跳ねる系ですが、カンボジアの道はお尻がしびれそうな道です。

何時間進んでも風景は変わらず、時刻は17時50分頃。地図を見るとシェムリアップまであと20kmの地点でした。こんなに周りに何もなかったのに驚きです。陽が暮れるのが18時20分頃だから、なんとか暗くなる前に着いてくれー!と願い、結局18時半過ぎでしょうか、シェムリアップの中心部ほど近くのよくわからない場所で降ろされました。バスターミナルでも広場でもなんでもないただの道路です。

 

バンを出ると、君のバスチケットにはフリートゥクトゥクが着いてるよ!さあ君のホテルを教えてくれ!と運転手に囲まれましたが、怪しすぎる…いや、もしかしたら本当だったかもしれませんけど、適当にあしらい歩き始めました。デニーが泊まると言っていたホステルは、私も目をつけていたので地図上ではわかっていたのですがよりによって降ろされた場所から一番遠く、目をつけていた候補の中から1番近いホステルに飛び込み宿を確保しました。ネット予約だと3$だったけど、直接だと5$みたいで失敗しましたがまあ1泊くらいいいです。

 

国境を超える日はやっぱり疲れます。ゲストハウスでカンボジアビールで晩酌して、この日はぐっすりです。

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