トゥールスレン虐殺博物館へ

今日はトゥールスレン虐殺博物館へ行ってきました。

 

なんと感想を書けばいいのかわからない、うまく言葉が出てきません。

 

ざっくりいうと、今から約40年前の1975年、ポル・ポト率いるクメール・ルージュが大量虐殺を行いました。全人口約800万人のうち200~300万人が拷問され、処刑されたそう。

今回行ったトゥールスレン(別名S-21)は、知識人として連行されたカンボジア人達を拷問した施設で、その生々しい跡がはっきりと残っている場所です。

虐殺が行われた約4年間で、12,000人~20,000人が収容され生きて出てこれたのはたった12人だそうです。

 

私は恥ずかしながら、カンボジアにこんな歴史があったなんて全く知りませんでした。内戦があったのはなんとなく知っている、ポル・ポトの名前も聞いたことある、クメール・ルージュも名前だけ…

せっかく行くので下調べをしていって、酷い話だと思いつつどこかまだ信じられないような気分でS-21に向かい、事実を目の当たりにして衝撃を受けました。

 

床や壁に残っている血痕、実際に拷問された人たちの写真、拷問に使われた器具、残された衣服…オーディオガイドを聞きながら施設を周るも、生々しい説明に生還者の証言などちょっと聞くのが辛くなって足がなかなか進みませんでした。

あまり写真を撮る気にもなれず、慰霊碑と拷問施設の外観だけ。

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元はただの高校だったみたいです。

 

www.populationpyramid.net

 

明らかに不自然な人口統計図。

今まで行った東南アジアの国も若い人が多かったけど、確かにカンボジアはお年寄りが少ない…。そりゃあ全人口の1/3も虐殺されたらこうなるよね…。

 

たった40年前の出来事。人はここまで残酷になれるのか…信じられない。

 

なんだか今までにない暗い気持ちになりました。3時間ほど見てまわったけど食欲もわかず。

 

うーん…。

 

楽しいことをして、綺麗なものをみて、美味しいものを食べるだけで終わってはいけないですね。

負の遺産もしっかり目にして、知らなかったことを知るのは大事なこと。

 

私は高校生のとき日本史を選択して、世界史は1年生の時にさらっとやった程度。当時は世界史好きじゃなかったからあまり成績もよくなかったけど、アジアの歴史なんて習った記憶がない。やって中国だったと思う。2-3年で世界史を選択してた人はこれ習ったのかな。

もちろん学校の勉強でこれをカバーできるなんて全く思わないけど、知るきっかけがないと興味もわかなければ勉強もしない。こんなこと一般常識だと言われたら返す言葉もないけれど、テレビでやるのはアウシュビッツがせいぜいで、よく知りもしない国の歴史のこと、わざわざ本屋で手にとることもなければインターネットで調べることもないでしょう。特にこの年代なんて。

せっかく知らなかったことを知れるチャンス、目で見て耳で聞いてその場の雰囲気を感じることが出来るんだからこういう機会は大事にしていきましょう。

 

と、偉そうに書いてみたけどこの感情をどう消化していいのかよくわからない…。

 

今日は拷問施設であったS-21を見学しましたが、明日は実際に処刑現場となったキリングフィールドを見学してきます。

 

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プノンペンの街並み、フランスの植民地だったからかカラフルで可愛らしい建物が目に付く。

雰囲気はヤンゴンに似てる(あっちはイギリスだったけど)

ヤンゴンと違ってなんだか治安の悪さを感じるのは、ゴミの量と、通行人の少なさのせいかしら。なんでこうなる?というくらいゴミが散乱していて、歩いているとあちこちからひどい匂いがします。宿の近くのゴミ山ではゴミを漁る人たちが何人かいた。

 

私はこの街を好きになれなさそうだ…。

S-21を見たのと、後ろからくるバイクを気にしてキョロキョロ歩くので精神的に疲れた1日だったけど、野球速報を見てファイターズが勝っていたからやっと元気が出た。スポーツはやっぱり偉大。